土から生まれた機能美

私たちは、精油本来の香りを最大限に引き出す道具をつくるため、精油生産者のもとを訪ね、香りのエキスパートの方たちの声をもとに、1年以上をかけてリサーチとプロトタイピングを行いました。こうして誕生したのが、WEEK ENDプロジェクトの第一弾となる「アロマディフューザー」です。

その主要パーツである陶器プレートは、岐阜県高山市にある窯元、渋草柳造窯の特許技術を用いて開発しました。この陶器プレートは、飛騨の土を原料として使い、岐阜県高山市にある工房で1点1点手作業によって作られています。

 

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香りを運ぶ暮らしの道具

私たちのデザインチームは、「精油本来の香りを引き出す機能」「様々な生活環境と調和するデザイン」「日々の暮らしに馴染む使い心地」を理想的なディフューザーと考え、検討を進めてきました。そこには、単に機能を満たすためのプロダクトではなく、暮らしに寄り添い続ける道具を作りたいという思いがありました。その重要なピースとなったのが、渋草柳造窯との共同開発によって誕生した直径9cm程の円形の陶器プレートです。

 

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土から生まれた機能美

アロマディフューザーの上部に設置する陶器プレートは、磁器をベースに表面を特殊な釉薬を使ってコーティングした2層構造になっています。磁器層はプレート内部への精油の浸透を防ぎ、多孔質な表面層が精油の保持を助けるため、精油は揮発しやすい状態で長時間保持されます。

また、様々な釉薬の調合テストの結果、配色や質感の自由度と表現力は日増しに向上し、レーザー加工によって精密なパターン表現も実現しました。こうして生み出された9種類のプレートは、固定概念に縛られない姿勢を貫く渋草柳造窯だからこそ生み出せたアートピースとして存在感を放ち、空間を彩るオブジェとしても楽しめます。

 

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革新を続ける窯元 渋草柳造窯

渋草柳造窯は、飛騨高山(岐阜県)に江戸後期より7代続く伝統の窯元です。渋草焼の伝統は、ロクロ・絵付け・成形などの技術、粘土や釉薬の原料としての土、木灰、そして鉱物にまで及びます。創業時から「伝承は衰退、伝統とは革新の連続」という指針のもと、変わり続ける窯元として様々な作品を発表しています。

渋草柳造窯
https://www.shibukusa7th.com/

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