対談|休日課長 × WEEK END (前編)

アロマディフューザーの魅力と香りがもたらすものとは?

 

――伝統工芸の技術から生まれた陶器プレート。そこにエッセンシャルオイルをたらせば、内蔵ファンからの気流にのって優しく香る。クラフトと家電が見事に融合したWEEK ENDのアロマディフューザーは2022年度グッドデザイン賞を受賞するなど、高い評価を受けています。

そんなWEEK ENDのアロマディフューザーを自宅で愛用しているのが、4つのバンド「ゲスの極み乙女」「DADARAY」「ichikoro」「礼賛」のベーシストとして活躍する休日課長さん。最近では音楽活動の傍ら、レシピ本の出版やレトルトカレーの開発も手がけクリエイティブの領域を広げています。

自分が使用するプロダクトはもちろん、ライフスタイルにこだわりがあるという休日課長さんですが、WEEK ENDのアロマディフューザーのどんな点に魅了されたのでしょうか?休日課長さんとWEEK END代表・佐藤優の対談から、その魅力と香りの楽しみ方を探ります。

 

 

自分の世界観を壊さないディフューザーが欲しかった

――今回の対談は、WEEK END代表・佐藤さんが休日課長さんのInstagramにアロマディフューザーが掲載されているのを知って、それがきっかけで実現しました。まず、アロマディフューザーを愛用するようになったきっかけを教えてください。

 

 

 休日課長:誕生日プレゼントでアロマオイルをいただいたことがきっかけです。アロマオイルを使うにはアロマディフューザーが必要だと思って、ネットで色々と調べていたのですが、そこでドンピシャでイメージ通りだったのがWEEK ENDさんだったんです。

 

佐藤:ネットで見つけて下さったんですね!どんな点がドンピシャだったんですか?

 

休日課長:アロマディフューザーを置くならデスクだなと考えていて。でも、僕はデスクの配置にこだわりがあるんです。まずモニターは別置き。そしてデスクの上は、キーボード、コースター、iPadスタンドの3つだけしかおかない。この自分のこだわりというか、デスクの世界観を壊さないディフューザーが欲しいなと思っていたときにWEEK ENDさんのアロマディフューザーがぴったりだったんですよ。

 

佐藤:実際にアロマディフューザーを使ってみていかがでしたか?

 

休日課長:まず、僕の部屋にある他のプロダクトとの親和性に驚きました。存在感があるのに空間にすっと溶け込んで、この重さとサイズもちょうどよい。持ち運びできるのはもちろん、充電しておけばいつでもどこでも使える。機能性が抜群なところもお気に入りです。在宅時は毎日使うほどお気に入りです。

 

(アロマディフューザー:休日課長さん私物)

 

佐藤:実際にアロマディフューザーを手に取ると、意外とずっしりとした重みを感じますよね。この重厚感が良いと販売店舗さんからも言われます。

 

休日課長:ネットでのお買い物はいざ届いてみると、あれ?と感じることもありますよね。でも、このアロマディフューザーは逆。作りや質感がしっかりしているから、実際に使い出してからさらに満足度が上がりましたね。あと、このスイッチにもびっくりしました。これでオンになるんだ!って。

 

 

佐藤:家電製品のスイッチボタンって、通常は本体上部や側面に設置していることが多いですが、このアロマディフューザーは本体内部に組み込んでいるんです。もし、スイッチを底に付けるとオンオフの度に毎回本体を持ち上げる動作が必要で、上部の陶器プレートも落ちやすくなってしまう……。それで、検討を重ねた結果、本体の縁をカチッと音がするまで長押しすることでスイッチがオンになるという仕様に辿り着きました。アロマディフューザーの構造上、絶対に必要な吸気口とこのスイッチをうまく組み合わせることでワンクリックで直感的に使えるデザインになりました。

 

 

休日課長:このスイッチの仕様は本当に発明ですよね!機能性とデザインが相互作用した結果、こうなったというのは面白い、いい感じでケミストリーが起きてる!(笑)。

 

作業モードの時でも邪魔をしない、自然に刺激をくれる「香り」という存在

 

――休日課長さんは、どんなときにアロマディフューザーを使いますか?

 

休日課長:根を詰めて事務作業をしたり、楽曲のアレンジを考えていて、ふと集中力が切れたときですね。気持ちを切り替えたり頭をリフレッシュできるので、香りを漂わせながら作業を再開したりします。あとは、夜にドラマや映画を見ているときかな。

 

 

休日課長:普段、頭を使うことが多いのですが、作業モードの時でも香りは思考の邪魔をしない。むしろ自然に刺激をくれるので仕事中でも取り入れやすいんですよね。

 

佐藤:ご自宅ではどんな香りを使われてるんですか?

 

休日課長:2種類使っていて、働くぞ!って気合いを入れたいときは、WEEK ENDエッセンシャルオイル・WORKSPACE。リフレッシュしたいときはOPEN AIRです。

 

 

佐藤:WORKSPACEは、車で香りを楽しむために飛騨産業さんによって開発されたオイルがベースになっています。運転中はリラックスしすぎてもダメなので、そう考えると働く環境とすごくリンクしますね。

 

休日課長:使い方がドンピシャだった!WORKSPACEはめちゃくちゃ仕事する時にハマる香り。毎日のように使っているのでかなり減っていると思います。初めてWORKSPACEを体験したときに山椒だ!と思ったんですよね。というのも、僕は鰻や坦々麺といった山椒を使う料理が大好きなんですよ。

 

 

佐藤:山椒の香りはスパイシーで刺激が強いので、頭を刺激したり、覚醒させるのにピッタリです。

 

「後味にフェチズムを感じる」香りに目覚めたきっかけ

 

――香りは休日課長さんがお好きな料理ともリンクしますよね。「香り」のどんなところに魅力を感じますか?

 

休日課長:あのふわっと広がる余韻が好きなんです。もともと、エッジが立ったものより味噌汁を飲んだ後の出汁の余韻や野菜の風味とか……後味にフェチズムを感じるんですよね。

 

佐藤:フェチズムを感じるようになったきっかけはなんだったのでしょうか。

 

休日課長:美味しいウィスキーの水割りと出逢ったことです。元々、サントリーシングルモルトウィスキー山崎12年が好きだったのですが、とあるバーで飲んだ水割りが本当に美味しくて。水割りだとウィスキーの後味や風味をこんなにも優しく感じられるのか!と、初めてウィスキーが等身大で楽しめました。立ち上がりと余韻のスピードが、自分の歩幅とマッチした感じ。この出来事が、自分は後味が好きで、それを楽しむことに興味があるんだって気づいたきっかけでした。

 

佐藤:ウィスキーは飲んだ後に樽の材質やフレーバーを感じますよね。WEEK ENDエッセンシャルオイルも、香りの配合バランスを工夫することで、垂らした瞬間とその後の香りに余韻の変化をつけてさらに楽しめるようにしています。

 

 

――今まで体験してきた香りで忘れられないものってありますか?

 

休日課長:ブルガリの香りです。高校時代の彼女がブルガリの香水をつけていたのですが、その後お別れして大学生になっても彼女のことが忘れられず……その香りがふと香ると彼女を思い出して泣いたこともありました(笑)。音楽でも似たようなことがありますよね。当時聞いていた音楽を聴くとその頃を思い出すように、匂いも記憶と結びつく。そう考えると、音楽と香りは似ていますね。

 

佐藤:香りは脳にダイレクトに伝わりますからね。

 

休日課長:香りと記憶の繋がりでいうと、僕は圧倒的に食べ物の匂いと思い出が直結するパターンが多いですね。米の匂いを嗅ぐと炭水化物ダイエット明けの当日に炊いたご飯の香りを思い出します。炊飯器を開けて米の香りがふわっと広がった瞬間、人生で初めて米っていい匂いだなって感動したんです。米を食べられぬ日々は失恋よりも辛かったので「もう二度と君を離さない!」と思いましたね。今も米の匂いを嗅ぐとあの日を思い出すので、一番愛してる香りかもしれないです(笑)。

 

クリエイターの彼女と京都を……“休日課長のアロマオイルから妄想!?

 

佐藤:実は、今回の休日課長さんとの対談に合わせてTHE HOLIDAYTHE MANAGERという2種類のアロマオイルをご用意しました。2つ組み合わせて「休日課長」です(笑)。実際に香りを体験していただいて、休日課長さんがTHE HOLIDAYTHE MANAGERという香りから、“妄想ごはん”のようにどんな妄想をするのかぜひお聞きしたいです。

 

 

休日課長:THE HOLIDAYは、最初に甘さがきて、そのあとスッキリと走り去っていくような清涼感を感じますね。使うタイミングは朝の息抜き。雨が降って体がだるかったり、重みを感じるときも良さそうですね。あとは、一日働いて帰宅して一息ついて「今日頑張ったわ。お疲れ!寝る前に落ち着こう」というシーンにも合いそう。張り詰めた糸を一度緩めて自分自身に「その日のうちのホリデー」をプレゼントしてあげようって感じですね。

 

佐藤:THE HOLIDAYは、オレンジを使用して柑橘系のちょっと甘めで気分が楽しくなるような香りです。忙しい日々の中でも、休日までリラックスタイムを先送りせず、THE HOLIDAYの香りでフッと力を抜いてほしい……そんな五感に訴えるプロダクトにしたいというのもコンセプトの一つです。

 

 

休日課長:THE HOLIDAYの香りからは、20代前半のポニーテールで明るい服を着た元気でポジティブな彼女との休日を妄想してしまいます。彼女は背筋がスッと伸びていて、佇まいや仕草に品がある人。でも、育ちの良さを鼻にかけた様子はなくて、話すとおしゃべりで会話も楽しい。さらに歴史的な建築にも興味がある知的さも持ち合わせていて……。

 

 

休日課長:THE MANAGERは音楽のアレンジ考えたり練習したり……仕事のときによさそうだと思いました。文章を書くときや事務作業にも合いそうですね。考えすぎて頭がごちゃごちゃした時に、スッキリ整理がつく感じがします。「これから行くぞ!」ってときに、風を運んできてくれそうな雰囲気もあるから、都会にいても緑を感じるイメージですね。

 

THE MANAGERは、「彼女と行く京都二人旅」という妄想が膨らみますね。京都の中心地から離れた嵐山・大河内山荘庭園を訪れ、高台から比叡山を眺める。「旅の刺激が、クリエイティブに繋がるよね」って話しかけると、「ほとんど食べてばっかじゃない」なんて言われちゃう。服はシンプルで、口数少なめのクールビューティーな何かしらのクリエーター。肉より魚が好きな女性かな。

 

 

佐藤:アロマから人物像が浮かぶって面白いですね。アロマが香るたびにこの妄想を思い出しそうです。

 

――休日課長さんが実際に試したアロマオイルは2023年に発売予定。後編ではそれぞれのモノづくりへのこだわりに迫ります。

 

後編はこちら:対談|休日課長 × WEEK END 佐藤優 (後編)

 

(撮影:浅葉未渚 / 取材・文:ともちん / 編集:ちゃんめい)

 

<プロフィール>

 

 

休日課長(きゅうじつかちょう)

ベーシスト。1987年2月20日生まれ、埼玉県出身。2011年に東京農工大学大学院を卒業後、14年までは一般企業に勤めながらバンド活動を展開。現在は「ゲスの極み乙女」「DADARAY」「ichikoro」「礼賛」4つのバンドを中心に活動している。

 “食”関係の活動も行なっており、20年に著書「ホメられるとまた作りたくなる!妄想ごはん」(マガジンハウス)を出版、21年に同書が原案本としてドラマ化された。

Twitter ( @eninaranaiotoko ) https://twitter.com/eninaranaiotoko

Instagram ( @kyujitsu_kacho ) https://www.instagram.com/kyujitsu_kacho/

 

佐藤優(さとう ゆう)

暮らしの探求から生まれたプロダクトブランドWEEK END』代表。

岐阜県中津川市生まれ。カナダ留学を経て、2014年父が経営する家電製品の企画、製造、流通を手掛ける会社・株式会社ミュージーに入社。社内ベンチャーで『WEEK END』を立ち上げ、地元岐阜の地域資源を活用し「作り手」と「使い手」の繋がりを生む商品を開発。最初のプロダクトであるアロマディフューザーが2022年度グッドデザイン賞受賞。国内外から注目を浴びている。

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